原稿制作の基本

印刷・インク

印刷やインクのことを知って、より自分の希望に合った本を作りましょう。

印刷について

●オフセット印刷

オフセット印刷とは、原稿の再現性が高く、高品質な印刷が可能な印刷方式です。
刷版に付けたインクを一度ブランケットという別の素材に転写した後、印刷紙に移転させるという原理で、現在の商業印刷の主流です。
当社は定番オンデセットの表紙印刷以外は、全てオフセット印刷です。

●オンデマンド印刷

オンデマンド印刷とは、刷版の工程を踏まずに、商業用の高性能なレーザープリンターを用いてデータからそのまま紙に印刷することが可能な印刷方式です。
30部から対応でき、少ロットの印刷物にはオフセット印刷より低価格でスピーディーにご提供できます。
当社の定番オンデセットは、表紙がオンデマンド印刷、本文はオフセット印刷です。

インクについて

オフセット印刷の単色刷り・多色刷りは、あらかじめ調合したインクを使用します。当社では基本色インクと特別色インク十数種類をご用意しております。
オフセット印刷のインクは透明度が高いので、多色刷りの場合は、インクが重なる部分は相乗した色になります。赤と青で紫、青と黄で緑など、2色・3色以上の色の表現が可能です。色の組み合わせによってはフルカラー印刷のように鮮やかな仕上がりになります。
一方で、濃いインクと薄いインクを重ねると、薄いインクの方はほとんど見えなくなることもあります。また、紙の地の色が濃いと、インクが目立たなくなる場合もあります。
フルカラー印刷の場合は、シアン(青)=C マゼンダ(赤)=M イエロー(黄)=Y ブラック(黒)=Kの4色のインクの組み合わせで、全ての色を表現しています。フルカラー印刷の場合も、紙の地の色に影響を受けます。

●当社のインク色見本

モニタの設定等によって色が変化しますので、目安としてご覧下さい。

●基本色
スミ(黒)
 


●色刷り表紙用インク
ピンク エメラルド
           
金赤 濃茶
           
群青 ローズ グレー
           



製本・特殊加工

製本について

●綴じ方向

綴じ方向には【右とじ】と【左とじ】があります。文字が縦書きのものは【右とじ】、横書きのものは【左とじ】が一般的です。
同人誌の多くは文字(漫画の場合はセリフ)が縦書きなので、右とじです。


●無線とじと中とじ

製本は【無線とじ】と【中とじ】の2つからお選び頂けます。
無線とじは糊で本の背を綴じる方法です。
(例:少年向けのマンガ雑誌やマンガのコミックス)
中とじは針金(ホチキス)で本の真ん中を2カ所綴じる方法です。(例:青年向けのマンガ雑誌やファッション雑誌)
当社の無線とじは背の角が出るカッチリ製本でお勧めです。


※製本を選ぶ際の注意点

無線とじは12P未満の薄い本では糊が付きません。
中とじはページ数が必ず束単位(A5は8P・B5は4P)でのご利用となります。また、ページ数の多い本には向かないので、用紙の厚さにもよりますが基本的には表紙込み40ページ以下の対応とさせて頂きます。

ノンブル

ノンブルとは本文のページごとについているページ数を表す数字のことです。
本の完成時に読む人の参考になるだけでなく、製本するために非常に重要ですので、ノンブルは基本的に本文の全ページにつけて下さい。
ノンブルが仕上がり範囲内になければ、乱丁・落丁の原因となります。

●ノンブルの位置(無線とじの場合)

・図のようにとじ側(ノド側)の仕上がり線より3ミリ以内に入れると、無線とじ製本後にはほとんど見えなくなります。

右とじの場合は、奇数ページの右下に隠しノンブルを入れ、偶数ページの左下に隠しノンブルを入れて下さい。逆にしてしまうと、隠しノンブルが本を開いたときに小口側に見えてしまいます。

・例えノンブルを隠す目的で仕上がり内に入れてない場合でも、印刷する際には当社で隠しノンブル(仕上がり後には見えないノンブル)を入れますので、作業のスムーズ化のためにノンブル入れに御協力下さい。


※中とじの場合は、ホチキスで真ん中を綴じるので、ノンブルを仕上がり線のすぐ側に描いても、隠しノンブルが見えてしまいます。中とじでノンブルを隠したい場合は、ノンブルを仕上がり線より外側に入れて下さい。(中とじの大半のページで隠しノンブルはご遠慮下さい)




オプション特殊加工

料金や納期を加算して、表紙や本文に加工等を施すことができます。料金等、詳細はオプション案内のページをご確認下さい。


●表紙箔押し

文字や模様の型を使って、銀色や金色の箔を押し付ける加工です。用紙に凹凸ができます。
箔全体を四角で囲んで、その四角の面積を箔の大きさとして料金を計算します。箔の原稿は濃度100%の黒一色で作成しますが、細すぎる線や細かい点は上手く表現できない可能性がございますので、ある程度の大きさや太さのある原稿を作成して下さい。


●表2表3印刷

表紙の裏側、つまり表2表3に印刷をします。選択できるインクは墨1色のみになります。


●カラー口絵・カラー本文

カラー口絵は片面カラー印刷(裏面は白)、カラー本文は両面カラー印刷です。巻頭だけでなく本文の途中でも任意のページをカラーにできます。
カラー口絵やカラー本文はページ数に数えます。台割表をつけてご入稿下さい。


●遊び紙

表紙と本文の間に挟む印刷しない紙を遊び紙といいます。書籍の見栄えを良くするための飾りの紙で、カラフルな色紙やトレーシングペーパーなどの特殊紙を遊び紙にするのが一般的です。表紙の用紙や色に合う紙を遊び紙として使用すると、書籍の印象が変わったりします。
遊び紙はページ数に数えません。


●折込ポスター

本文の前や後ろに片面カラーのポスターを付けることができます。B5サイズの本にはB4サイズのポスターを、A5サイズの本にはA4サイズのポスターを三つ折りにして折り込みます。ポスターの原稿は原寸(A4 or B4)に塗り足しをつけて作成して下さい。